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月曜日は尻曜日─1─

シーツの海に投げ出された肢体。
瑞々しい若葉のようにハリのある肌に無駄のない筋肉。
うつ伏せの体勢であった為、どんな表情をしているのかは分からないが、月光が映し出した白い双丘が微かに震えているのを見れば、彼が今どんな顔をしているのか容易に想像できた。
2021年6月7日



月曜日は尻曜日─2─

四つん這いになった相手の腹の下に腕を回し、腰を高く持ち上げると、形の良い小さな尻が此方に向けて晒される。
胡坐をかいた足の方へと引き寄せれば、目の前にくる周りの色より少し色付いた小さな窄まりがよく見えた。
これから何をされるのか期待と不安が、その小さな窄まりの震える様子で彼の心情が分かってしまう─────。
2021年6月14日



月曜日は尻曜日─3─

「何考えてんだ!」
窓際に追い込んだ相手が此方に向かって罵声を浴びせてくるが、それさえも子猫の戯れのようで可愛いだけでしかない。
「良いじゃないか、よく似合ってるぞ」
追い詰めた相手を上から下まで観察する。
上等な絹糸で織られた濃紺色の布地に、同じく絹糸で刺繍された舞蝶を思わせる我が国の伝統的な衣装。
大きく円形に空いた背中から見える背骨のラインを下に辿れば、蝶の翅のような裾から形の良い丸みを帯びた、小さな白い双丘がチラチラと誘うように見え隠れしている─────。
2021年6月21日



月曜日は尻曜日─4─

最奥を抉るように突き上げれば、感極まった身体が引き絞るように中に入った屹立を締め付ける。
その快楽に抗うことなく己の精を解放すれば、中で収まりきらなかった白濁が肉棒を埋め込まれた小さな孔から溢れ出る。
まろい尻から太腿に白い残滓が卑猥な痕を残していく─────。
2021年6月28日



月曜日は尻曜日─5─

「も…っぁ…、もっと、奥…っほし…ぃ…っ」
ベッドに膝を突きうつ伏せの状態で尻だけを高く上げた卑猥な姿。
誰もない、月明かりが薄っすらと窓辺から入るだけの部屋で、ひとり自慰に耽る。
満月に近付くにつれて、日ごとに身体の疼きが増していき、熱を出す為に自分で自分を慰める日々が続く。
高く上げた尻を大きな手が鷲掴む記憶を辿り、届く限りの場所を己の指で掻き回す。しかし一番欲しい場所には今夜も届くことができず、身体は更に疼くばかり─────。
2021年7月5日



月曜日は尻曜日─6─

目の前に見えた誰もいない古屋に駆け込む。同じようにずぶ濡れになっているだろうと、自分より先に身体を拭くようにとタオルを手渡そうとして、その手が止まる。
シャツが肌に張り付き、彼の着痩せする身体のラインをぴったりと見せる。濡れたボトムも色が変わる程水分を含み、形の良い丸いラインをはっきりと見せていた。
濡れた衣類が気持ち悪いのか、シャツを脱ぎ捨て、次にボトムのベルトに手を掛ける。躊躇いなくボトムから足を抜き身体を屈めた為、背後にいる自分から雨で下衣が張り付いた双丘が惜しげもなく晒される。
ふと、俯いていた顔が上を向き、自分を見た─────。
2021年7月12日



月曜日は尻曜日─7─

薄暗い部屋の中で肌と肌が打ち合う音が響く。
ぱちゅんと水音を伴ったその音は、ベッドに身体を投げ出した男が出しているのではなく、その男の腹の上で惜しげもなくしなやかな裸体を晒している男の情人が出している音。
引き締まった双丘が男の上で規則的に動く様を思う存分堪能する。時折悪戯のように尾骶骨の辺りを撫でてやれば、心地好い甘やかな嬌声と共に中に挿入った男のものをきつく締め付けてくる─────。
2021年7月19日



月曜日は尻曜日─8─

「俺を飲み込んでいる場所を見せてくれないか」
ぱちゅん、と潤滑剤なのか自分が出したものなのか、動く度に彼の腹部と俺の尻の間で卑猥な水音がする。
羞恥と快楽の狭間に身を任せていれば、下から低く響く甘い毒が耳朶を犯してくる。
彼に背を向けて跨っていた俺はその毒が身体にまわり、熱に浮かされたように彼に双丘の奥の、彼を咥えている場所を両の手で広げて見せてしまう─────。
2021年7月26日



月曜日は尻曜日─9─

傷一つない背中が緩いカーブを描き、男の視線の上で一定のリズムを取って揺れる。
男が下から楔を突き上げれば、淫猥な水音と共に引き締まった双丘が男の腹で押されたように形を変える。
何度も何度も容赦なく突き上げられた身体はとうとう支えがなければ崩れてしまい、男の太腿に上体を重ねるように俯せてしまった。
けれども男の動きは止まることなく、ペタリと自分の腹についた尻を両手で鷲掴み、咥え込んだ場所を大きく広げる。
眼前に曝されたそこは男を逃さないと、根元までずっぷりと欲深く怒張を咥えて飲み込んでいる。
その場所に指がかかる。
直後、男の長い指が怒張を飲み込んだ場所を容赦なく突き入れ、頭上から快楽に落ちた嬌声が響いた─────。
2021年8月2日



月曜日は尻曜日─10─

頭上から切羽詰まった声と共に衝撃が襲った。辛うじて床に後頭部を強打するところまではいかなかったが、上から落ちてきた何かが諸に顔面に当たり、そのまま転倒してしまう。
少しの間、衝撃で動くことができなかったが、漸く思考が落ち着き今の状況を判断するくらいにまで回復した。
と同時に未だ顔面を上から押し潰しているものが何なのか分からず、視界不良のまま上体を起こそうと顔から押し上げるように持ち上げようとすれば、先程と同じ声がまたもや頭上から聞こえた。
「やぁあっんっ…」
甘やかな声が聞こえ、思わず身体の動きを止めてしまう。すると、重力で顔の上にあったものが更に自分の顔面にのしかかってきた。
幸い硬いものではなく、寧ろ温かで柔らかな感触に思わず無意識に口元で感触を確かめてしまえば、またもや上から嬌声が聞こえた─────。
2021年8月9日



月曜日は尻曜日─11─

まさか下に人がいるとは思わず、驚いて咄嗟に受け身を取ろうとした体勢が崩れてしまった。
下敷きにしてしまった相手から急いで身体を退けようと膝立ちになった途端、ズキリと足首に衝撃が走り、痛みにそのまままた座り込んでしまう。
「っぁ…っ」
反射的に座り込んでしまった為、そこがどんな場所か気にする余裕もなかったが、股の間を柔らかな何かに押されてしまい咄嗟に声が出てしまう。
その内、下腹部の膨らみとその奥にある秘処の間を無遠慮に何度も何か分からぬものに押し上げられ、覚えのある感覚が這い上がってくるのが分かる。
ゾクリと痛みではない震えが身体の中を走った─────。
2021年8月16日



月曜日は尻曜日─12─

仰向けになった男の顔面を跨ぎ、怖ず怖ずと腰を下ろして、男の鼻先に付くか付かないかくらいの場所でそのままの体勢でいるようにと命令される。強い口調で言われたわけでもないのに、有無を言わさない声音に羞恥に耐えて、言われたままにじっとそのままの格好で待つ。
男の息が股の間にかかり、崩折れそうになる膝を必死に叱咤する。
肌にぴたりとフィットした面積の少ない下着が、足を広げたことにより更に肌に張り付き、双丘の谷間に食い込んでくる。
隠す場所が隠れず、少し動いただけで大事な場所が男の眼前に今まさに晒されそうになる。
辱めを受けている筈なのに、この体勢に興奮している自分がいることを自覚する。
触れられてもいないのに下腹が甘怠く痺れ、ひくりと人には言えない場所が窄まれば、男の指が股の間のその場所を隠している布地をゆっくりと引っ張っていく。
薄く色付く秘部が男の前に晒される─────。
2021年8月23日



月曜日は尻曜日─13─

「なあ、今流行ってるみたいだからさ、ちょっとやってみてくれねえ?」
男の部屋で寛いでいると、唐突に自分に話しかけてきたかと思えば、何かをやれと言ってくる。話の筋が全く読めず首を傾げていると、男はいそいそとスマホのとある画面を見せてくる。
「!?」
「な!ちょっとだけ試しにやってくれるだけでいいから!」
「や、やだ!」
見せられた画面には「#jackochallenge」で表示された人やキャラクターが何枚も映し出されている。
「こんなの俺がやったって面白くも何にもないだろ!」
破廉恥なポーズに頬が真っ赤になる。
「俺が見たいんだ。アンタがこの格好したら絶対可愛いから!な!一回でいいから」
そう言っておねだりするように此方をずっと見つめてくるから、結局自分が折れることになる。
「後でアテスウェイのモンブラン!絶対だから!」
そう言って半ばやけっぱちでフローリングに敷いているラグの上に四つん這いになると、上半身をペタリとラグにくっつけ、そのまま膝を曲げずに脚を広げ尻を高く上げていく。
「こんなの見て何が楽しいんだかっ…」
尻を上げていくと自然と背中が反ってしまう。苦しい体勢に直ぐにポーズを崩そうとすれば、男の手が両脚にかかり、もっと大きく広げられ尻も高く上げられてしまう─────。
2021年8月30日



月曜日は尻曜日─14─

「やだっ…っ!ダメだって……っ」
間接照明の仄暗い明かりだけが灯る部屋に、肉を打ちつける淫猥な音が響く。
真白いシーツの皺の陰影を辿れば、男の上で腰を穿たれるもう一人の男の足の指に辿り着く。必死に腰を上げ、自分の下にいる男から離れようとするが、がっちりと腰を抱え込まれ、容赦なく内襞の敏感な場所を硬い切先で突き上げられては、その抵抗も微々たるものにしかならない。
「後始末が大変なの知ってるだろ…っぁあっ…」
「全部綺麗にするから。中のも俺がちゃんと掻き出す」
「ア、ンタに任せたら、それだけじゃ…っすまないっ……っ」
内襞奥の一点を掠められ、咄嗟に中にある相手の屹立を締め上げてしまう。
「っ!…嫌だと言うなら、そんな締め付けるな…っ。もう我慢できないぞ」
「だめだ…て…っ…あっやぁぁっ……だめだめっ、いっちゃ…っっ…ぁぁああっっ!!」
下から打ち付ける速度が増し、室内に響く音も大きくなっていく。
一際強く腰を打ち付けられると、逃げられないように押さえ付けられた腰の奥にいつもは感じない灼熱のものが大量に流し込まれたのが分かり、その衝撃に自分の屹立からも同じく熱い飛沫が迸った。
その後もゆるゆると腰を動かす男が漸く中から自身を抜き出せば、それを追うように男の出した白い体液が秘処から重力によってトロリと下に滴り落ちていった─────。
2021年9月6日



月曜日は尻曜日─15─

部室棟にあるシャワー室。
各部が持ち回りで掃除をしていく。
今週は自分たちの部が当番に当たっていたらしく、各自いつものように手際良くモップ掛けやら壁の汚れをスポンジで洗い流していく。
掃除中は濡れるし同性しかいないと言うことで、皆下着一枚で掃除する者が殆どで、例に漏れず自分もその一人だった。
個室のシャワー室の壁を洗剤を付けて泡だらけにしていく。自分が壁を洗えば、もう一人がシャワーで洗い流す。狭い個室に二人も入れば窮屈で仕方ないが、分担して作業をした方が早く終わるから我慢する。
背中越しにシャワーのヘッドを持ったアイツが壁に水を掛けていくが、狭いからか背中に相手の胸板が当たってくる。しかもさっきから尻に当たるものがあるんだが、ただシャワーホースが当たってるだけだと思いたい。
でも何故か胸がドキドキしてしまい、そんな気がそぞろになっていたところに洗剤で滑った床に足が取られて転倒しそうになり、慌てて壁に手を突きなんとか免れる。
「大丈夫か」
その声に自分の腰に太い腕が回され、助けてくれていたことに気付く。
「あ、ありがと───」
お礼の言葉を言おうとして、不自然に止まってしまう。何故なら、背中から抱き締められたような格好と壁に挟まれた自分の身体。というより尻の部分に気の所為だとは言えない程の硬くて熱いものが押しつけられていて─────。
2021年9月13日



月曜日は尻曜日─16─

今日の接待は海外企業の上役との会食。
そんな場に何故自分が呼ばれたのか分からない。しかも着物を着用するようにと指示される。何故自分だけが着物なのかと聞いてみても「今回のクライアントは日本の文化に興味があるらしいから」と言われるだけ。
仕方なく、会食に使われる料亭で予め用意されていた着物に着替えさせられ、呼ばれるまで待機させられる。重要な案件の場では流石に自分が立ち会うことはない。
程なく呼び出しを受け、外廊下を進んだところで障子を開けられる。
そこで初めて今日の出席者の顔ぶれを知る。そして何故自分が呼ばれたのかも理解した。
予想通り、挨拶もそこそこにいつも自分を指導して下さる上司たちにクライアントの前に座らされ、やっとのことで着付けられた着物をねっとりとした手付きで剥ぎ落とされていく。
「おや、君は着物を着る作法を知らないのかね」
そう言ってくる上役の一人が肌襦袢の下から見える下肢にピタリとフィットした下着を見て眉を潜める。
「着物を着る時は下着は穿くものじゃない。ほら脱ぎなさい」
無遠慮に下着に指を掛けられ抵抗するまもなく脱がされる。辛うじて肌襦袢によって下肢が晒されることはなかったが、そんなことで許してくれるような上司たちではない。
「さあ、その肌襦袢を捲くり上げて着物の表裏をお客様にお見せしなさい」
目の前には上司たちと変わらない脂下がった顔をするクライアントの姿。今から自分のする行為を舌舐めずりをして待っている。その顔に今から自分がされることを期待してゾクゾクとした感覚が身体中を駆け抜けた。
襦袢の下に今は隠れているものがジワリと濡れた気がして、ゆっくりと布地を上に捲り上げていった─────。
2021年9月20日



月曜日は尻曜日─17─

沈んでいた意識を自分を起こす声と程よい重みに浮上させられる。
瞼を上げればレースのカーテン越しに入る朝陽が視界に入ってくる。眩しさに眉間に皺を寄せていると身体の上にある重みから声がする。
「おはよ」
胸の上に乗り上げペタリとくっ付いて此方を見てくる恋人の姿。自然とその身体に腕を回し抱き締めると甘えるようにスリスリと頬を寄せられる。
無防備に自分に身体を預ける恋人の柔らかな身体に手を伸ばし、そのまま双丘の頂を鷲掴み揉みしだいた。
「こらっ」
焦る声に、無防備に男の上に乗り上げる方が悪いと言えば、さっさと身体を離そうとするから、腰に腕を回して逃さないようにする。
朝の生理現象で勃ち上がったそこを乗り上げてきた身体に擦り付ければ、真っ赤になった恋人の顔が見えた。
再び双丘をやわやわと揉みしだいても、今度は抵抗されることはなく─────。
2021年9月27日



月曜日は尻曜日─18─

“あ、またバカな男が一人”
中心街から少し離れた場末の酒場の一角。
いつものようにカウンターの定位置を陣取り、マスターとたわいない話をしていれば、後ろから何かが倒れる音と罵声が聞こえてくる。
「またか…」
俺がポツリと呟けば、マスターから謝罪の言葉が掛けられる。
後ろを振り向けば案の定、酔っ払いがここの厳つい従業員に摘み上げられ、店の外に放り出されていたところだった。
「マスターもそろそろ彼をボーイじゃなくて厨房辺りに配置替えした方がいいじゃないか?」
酔っ払いを冷めた目で一瞥したが、もう興味が失せて、目の前でグラスを拭いているマスターに呆れたように話しかける。
後ろを振り向いた時にチラリと見えた光景は、ここではさして珍しいものではない。常連客なら決して関わりを持とうと思わないここのボーイに、冷やかし客が不躾にその身体を撫でるか酒を強要したんだろう。
「ウチはそういうバーじゃないんだけどねえ」
マスターがヤレヤレと溜息を吐く。
今回もどうやら追い出された酔客の前を通り過ぎようとした彼の腰を取って、自分たちの席に無理やり連れ込んだのが発端らしい。
まあ、一見あの腰と尻は魅力的に見えるだろう。
だが、美しいものには棘があると昔から言われているように、彼にも猛毒が仕込まれた棘がある。
案の定、彼をベタベタと触る男共はここの最強の用心棒に完膚なきまでに叩きのめされ、ゴミ同然に外に投げ捨てられていた。
「でもまあ、まだ用心棒で雇われてるあの人が対応に出たから、あの酔っ払いたちも命拾いしたのかな」
今飲んだものと同じものをマスターにオーダーすれば、頼んでいないものが添えられている。目線を上げると「ご迷惑をお掛けしましたから」と人差し指を唇に当てながら微笑まれる。成る程、他の客には内緒ということか。
「あの子の忍耐が強いのが良いのか悪いのか。もう少し男という生き物を警戒して欲しいんですけどね」
困った声で話すマスターだったが、表情は言う程困っていない。結局、マスターも彼一人でも酔客相手なら対処できると分かっているから。
「やっぱり厨房に配置転換を考えるべきだよ」
呆れた俺がマスターにそう言えば、ニコリと営業スマイルを見せるマスターと目が合う。
「厨房に配置替えしたら、あの子の可愛い姿(お尻)がいつでも見られないからね」
うん……。マスターの言葉はきっとアルコールの回った耳が幻聴を聞かせたんだと思うことにした─────。
2021年10月4日



月曜日は尻曜日─19─

カタカタと規則正しいがどこか淫靡な雰囲気を漂わす機械音が聞こえてくる。
肌にチクリとした痛みを感じた青年は、重い瞼を上げれば見覚えのない部屋で拘束されていた。
「?」
何が起きているのか一瞬脳が追いついて来なかったが、ああ、自分は潜入捜査中だったことを思い出した。
そしてそれは今も実行中だった。
「目が覚めたかい」
置かれている状況を整理しようとしていたところに青年以外の声が聞こえてきて、強制的に思考が其方へと向かされる。
「アンタは?」
「そんなことより、キミはこのマシンの試運転の被験者に光栄にも選ばれたのだよ」
此方の話など全く聞く気のない人物が恍惚とした表情で話を続ける。
何のことだと身体を動かそうとして手足を鉄の鎖で拘束されていることに気付く。一矢纏わぬ姿でうつ伏せのまま、脚はベルトのようなもので閉じられないように固定されている。腕は動かすことはできるが、此方も手首にベルトを装着され、そこから伸びる鎖で動かせる範囲が最小限に制限されていた。
じゃらり、と不快な金属音が耳につく。
「ほら、お客様も試運転を楽しみにされているのだから、被験者としてしっかりとマシンの使い心地を教えるのだよ」
そう───、ここは煌びやかな都市の中に巣食う闇の部分、ブラックマーケット。どんなものでも金さえ積めば手に入れることのできないものはない世界有数の闇市。
そこに世界的権力者の一人と言われている人物が出入りしていると情報が入り、商品として潜入したのがひと月前。
漸く尻尾を掴む機会が訪れた。
ここのやり方にも表面上は染まったように見せかけた。
商品価値を上げる為に持てるスキルを駆使してここまで来たのだ。網膜に取り付けたナノカメラで世界最高で最悪と云われた男のその一部始終を焼き付けてみせる。
「さあ、お待たせ致しました、ショーの始まりです。皆様どうぞご覧下さい。傷一つない滑らかな肌を持つこの青年の、今まで隠されていた秘部にグロテクスなマシンが蹂躙していきます」
そう声高に話し出した支配人らしき男の横で、仮面を着けた別の男がマシンの電源を入れる。駆動音と共に卑猥な男性器を模した機械の先端部分が前後に動き出す。
「しかも今回のマシンは貯蓄タンク付きです。この中にお好きな液体を入れておけばピストン稼働中に先端から放出され、そのまま孔を責めることも可能です」
暗闇から複数の感嘆の声が聞こえる。
それに気を良くした支配人が更に説明を付け加える。
「ローションでも媚薬でも───、」
思わせ振りに言葉を切りながらコツコツと足音を鳴らし、マシンに近付いていく。そして側に置かれた小さな卓の上にある細長いグラスを持ち上げる。
「大量の精液を入れ、強制的に種付けをされるのでも良いでしょう」
そう言うと、タンクの中へとグラスの中に入っていた液体を流し込む。透明の容器に移し入れられた乳白色のドロリとした液体が中で卑猥に撥ねる。
男が拘束されている青年に近付くと猫撫で声で周りに聞こえない音量で耳打ちする。
「キミに種付けしたい御仁はとても多いからね。このマシンに煽られてどれだけのバカな人間が集ってくるか。それにキミも早くこの凶悪なマシンで尻を犯されたいだろう。大量に貯まった精液が腹の奥の奥を容赦なく濡らして種付けするんだ」
マシンが青年の広げられた股の間に移動させられる。サイドに付けられたボタンを押せば、張型の先端から勢いよく白濁とした液体が飛び散る。
「キミの落札価格には期待しているからね。精々壊れないようにしてくれよ」
白濁液は青年の日に焼けていない真白い尻の上にも散らされ、照明に照らされた肌がテラテラと光った。
「では一千万からどうぞ」
開始の声と共に青年の嬌声が会場内に響き渡り、その一瞬後には暗闇から幾重もの声が支配人に向けて発せられた─────。
2021年10月11日



月曜日は尻曜日─20─

肌寒くなってきた季節。
先日、少し厚めのブランケットを出したところだったのに、今夜はやけに冷える。
だから夏が終わってから初めて暖房機を点けた。
空調が回り、室内に暖かな空気が流れる。
シャワーを浴び、タオルで水気を拭きなが、そのままベッドに敷いてあるシーツへと身体を横たえ、綺麗に畳まれていたブランケットを身体の上へと引き寄せる。
少しばかり毛足の長い、ふわふわとした感触のブランケットが下に敷いてあるシーツの冷たさとシャワーで火照った身体の体温と相まって、心地良さを与えてくる。
うっとりとして微睡みかけたところに、けれど、ブランケット越しに背中に無粋な重みを感じて、意識を浮上させる。
「そんな格好でいると風邪を引く」
後ろを振り返らずとも声の主が誰かなんて分かりきっていたから、そのままの状態で相手へと言葉を返す。
「こんなに部屋の中が暖かくて、しかもブランケットに包まれてるんだから大丈夫」
可笑しそうに後ろへと視線を向ければ、相手は一つ瞬きをした後、意味深な笑みを向けてきた。
「まあ、空調はよく効いている。だからこれも必要ないかもな」
そう言って身体を包んでいたブランケットを剥がされ、シーツの上に何も纏っていない肌が眩しい照明の下、相手の眼下に晒されて─────。
2021年10月18日


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2021年の春から夏にかけて毎週月曜日にアップしていた、キャラを特定せずに尻を題材にした企画モノ。
今思えば毎週よく頑張ったなって思う。

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