── 沖の屋
不本意な出会い
※なんちゃってハリポタ(ホグレガ)パロで書いてます。苦手な方はブラウザバックでお戻りください。
消灯時間は既に過ぎている深夜。
学舎内は元より寮舎内でも部屋の外を歩く生徒はいない。見回り役に見つかれば減点の対象となってしまう。そんな危険を冒してまで夜中に外出をする理由がある者などいないからだ。
しかし何事にも例外はある。
ここホグワーツ魔法魔術学校は古くから魔法使いにとって有名な学校のひとつだ。歴史あるホグワーツ城内にあり、貴重な資料が多く残されている反面、広すぎる城の全容は教師たちでさえ知らぬ者も多いという。その為、生徒には立ち入り禁止とされている場所も少なくはなかった。しかし、そんな場所にこそ貴重なものは隠されている。
見回りの隙を縫って回廊の奥にある部屋に、今夜も空気の揺らめく気配が流れた。
だが、部屋の中に気配の主の姿は見えない。月明かりが射し込む静かな部屋に乾いた紙を捲る音だけがする。
目くらましの術は特段珍しい魔法ではなかったが、魔法を習いたての新入生が扱うには今少し難易度が高い術でもある。基本魔法であるが為に術者のセンスが問われ、魔力を全身に行き渡さなければ術のかかっていない場所ができ、相手に見つかってしまう危険が生じる。その為、術そのものを使うよりも術を施された魔法具として使用されることの方が多かった。
そんな基本ではあるが取り扱いに一癖のある魔法を道具もなしに使用している者がここにいる。貴重な文献を読み漁る姿は紛れもなくホグワーツ生であり、その身に纏うは銀と翠玉色の入った制服だった。但し授業のある日中よりも着慣れた風に幾分か崩されてはいたが。
ぱらりとまたページが捲られる。
月明かりだけで読み進める紙を捲る音が、静かな空間に流れゆく。そんな中、紙の擦れる音に紛れて何かが動いた気配がした。
「?」
文字を追っていた人物の吊り上がり気味の切れ長の目が、気配のする方へと向く。部屋の入り口に誰かがいるのを感じ取ったのだ。
開いていた本をそっと閉じ、物音を立てないように気配のする方へと足を向ける。今いる場所は棚と棚の間にある梯子を登った先の中二階のような床板の上。簡易的な柵がされているだけで、下を覗き込めば階下に誰がいるかは直ぐに分かる。
足音をさせず、目くらましの術を掛けたまま気配の直ぐ近くの階上までくれば、そこには意外な人物がいた。
微かに目が見開かれる。
階下にいるのはおおよそこんな夜更けに、深夜立ち入り禁止となっている図書室へと忍び込むようなことなどしない人物。入学当初から何かと周囲の話題の中心にいる優等生な青年がそこにいたのだ。
“確かグリフィンドール寮だったか"
人に興味のない階上にいる男─ 道門 ─は、そこまで記憶を辿ったが名前を思い出すことができなかったことで、青年に関する情報を辿ることを諦めた。今ここで規律を冒してまで何かしようとしている相手の情報など必要ないからだ。自分とは違い成績優秀、品行方正で皆の関心の中心にいる、その情報だけで十分だった。
向こうは道門に気付いていない。こんな夜更けにも関わらず目くらましの術も使わず堂々と入ってきていることから、余程無謀な性格なのか、それとも見回りに見付からない自信があるのか、どちらかだろう。
“ああでも"
青年が入学してきた時のことを思い出し、そこから記憶が少しだけ蘇る。彼は珍しく中途入学してきた生徒だったのだ。公にはされていなかったが、入学する際には個人的な事情が関係していたらしく、校長や幾人かの教師が時折り彼を気遣うように声をかけている場面に出会すことがあった。
魔法知識としては中途入学生としては優秀なのだろう。成績は常に上位、身体能力も魔力も申し分ないと教師からの覚えもいい。生徒からの信頼も厚いと聞く。
何処か別の魔法校からの編入なのかと噂されてもいたが、その辺りも伏せられていて、本人の口からも語られることはなかったという。
“何処に行くつもりだ?"
そんな、自分とは正反対にいる優等生が人目を忍んで深夜の図書室へ侵入している。昼間は生徒に開放している図書室にもかかわらず、深夜に訪れる理由なんてひとつしかないのだろうが。青年が隠れて調べようとしているものに興味が湧いた。
辺りを警戒しながらも青年が向かう場所に意外性もなく納得する。そこは昼間であっても許可された者しか入ることを許されない場所。禁術書が保管されている棚がある。しかし、当然の如くそこには厳重な鍵がかけられ、司書の持つ特別な鍵でなければ開けることはできないようになっている。
“まあ、僕には関係ないけど"
目くらましの術同様、開錠の術をも得意としている道門には世の中の鍵という鍵は無意味なものだった。開錠術を防ぐ魔法を施された鍵もあるが、それさえも道門の持つ力には関係なかった。そして、それはこの図書室の奥にある禁術書を置く部屋の鍵も例外ではない。その証拠にもう幾度となくここに来ては部屋に入り禁書を読んでいたのだから。
そんなことを考えながら青年を少し後ろから眺めていれば、件の部屋の扉の前までやってきた。当然ながら鍵は開いていない。
“さあ、どうするつもりだ?"
青年が次に何をするのか階上から見下ろす。図書室は教師たちの見回りポイントのひとつでもある。あまり長い間留まってはいられない筈だ。
“今日はまだここには誰も見回りに来ていない。時間からすればそろそろやってくる頃だが"
部屋の中へ入るのか、今夜は下見に来ただけなのか。
そうやって青年を観察していれば予想した通り、入り口に人の気配を感じ、振り返ればランプを持った教師の姿が見えた。
入り口からここまでは通路が入り組んでいる為、直ぐに教師がやってくることはないだろう。この時点で既に何処かに身を潜めて教師が去るのを待つしか方法はなくなっているが、彼は何処へ身を潜めるつもりか。
気になり、扉の前にいるだろう青年へと視線を戻せば、今までいた筈の姿が何処にもない。
“?! 何処へいった?"
一瞬目を離したその僅かな時間の間で、気配さえも消していなくなってしまったのだ。もしかして別の通路から教師に見つからぬよう離れ去ったのだろうか。ここまで来るにも見回りの目を盗んで来た筈だから、実は隠れて動くことを得手しているのかもしれない。
そんなことを考えていれば、不意に視界の横合いから一本の腕が現れる。一瞬のことで反応が遅れた道門の体が側にある本棚へと押し付けられた。
「誰かそこにいるのか!?」
ガタリ、と棚に当たる音が室内に響き、直ぐさま教師の鋭い声が飛んでくる。
「ちっ!」
油断していたとはいえ、同年のしかもグリフィンドールの人間に捕まってしまったことにも歯噛みするが、それよりもその挙句にこんなところで教師に見つかるなどという失態だけは晒すわけにはいかなかった。
押さえ付けられていない腕をどうにか動かし、ここへ来る時に何かの役に立つかもしれないと捕まえていたイエネズミを制服のポケットから取り出す。そのまま足音をさせて此方へやってくる教師の視界に入る場所へと投げると、自分を押さえ付けている青年にも目くらましの術をかけた。
チチッ、と鳴く声の後に教師の不満が聞こえ、その後通路を照らすランプの灯りが遠ざかり、室内にはまた暗闇と静寂が訪れた。
それから更に数十秒が過ぎる。
「そろそろそこから退いてくれないかな」
左肩と右手首、それに両脚の動きも相手に体重をかけられ本棚に縫い付けられた状態に、取り敢えず冷静に言葉をかける。相手の出方が判らない内は下手に刺激しない方がいいだろう。それに術を見破られたことも気掛かりだった。今まで目くらましの術が見破られたことなどなかったのだ。それがあっさりと見破られ、しかも相手の動きさえも見失ってしまったのだ。
道門の中で目の前にいる優等生がただの優等生ではないことに警戒が強まる。じっと相手の顔を凝視していると、向こうも道門の顔を見返してくる。
「隠れて俺のあとをつけてくる不審者を理由もなく解放できるわけないだろう」
正面から見据えてくる冷たく光る眼光は日中、他の生徒たちに向けるものとは天と地程の差がある。道門の行動如何によっては相手もまたそれ相応の行動に移る気配が目に見えて分かる。
「は、そっちが後からやってきたんだろう。こんな夜更けに隠れて忍び込んでくる奴が誰なのか、気になるのは当然じゃないか?」
しかも許可なく立ち入ることのできない、禁術書が保管された部屋に入ろうとしていたのだ。気にするなという方が無理な話だ。
そう言うと相手も納得したのか、道門を押さえていた腕の力が漸く解かれる。但し、何かあれば直ぐに道門を捕まえることのできる間合いのままではあったが。
「……悪かった……」
流石に自分の行動に問題があったことを自覚したのか、バツが悪そうに謝ってくるから、道門もそれ以上は追及するのはやめることにした。というよりもこれ以上は関わり合いたくないというのが本音だった。
しかし、確認すべきことはしておく。
「なんで僕がそこにいると分かったんだ?」
入ってきた時も奥の扉の前に佇んでいた時も道門の気配に気付いた様子は見えなかった。一体どうやって見破ることができたのか純粋に知りたいと思った。
「気配がしたし、魔力の流れが見えたから」
「魔力の流れ?」
「ああ、俺は人や生物、それに魔力が宿ったものからオーラっていうのか?魔力の大きさや種類とか、エネルギーみたいなものが見えるから。」
「は?」
あっさりとそれでいてとんでもないことをさらりと言ってくる。当然、そんな真似のできる者など聞いたことのない道門は、唖然としながら目の前の男を見つめる。
「信じられない?」
「っていうか、そんなことができる人間がいるなんて聞いたことがない」
全てのものの魔力を見ることができるなら、その人間が魔法使いかどうかも分かるし、隠された魔道具や魔術書を探すことも容易に適うだろう。
「悪用されそうな力だな」
ああ、だからここの教師たちがこぞってこの優等生を気にかけていたのか。確かに公にするには危険が伴う力なのだろう。
「じゃあ、最初からここに僕がいることも分かってたってことか」
そんな相手に自分はノコノコと後を付けていたということか。
自分の間抜け加減に居た堪れなくなった道門は、盛大な溜め息を隠すことなく吐き出す。体が一気に脱力した。
「戻るわ……」
今夜はもうこれ以上何もする気が起きず、いつもより時間が早いが寮へと戻ることにした。今からこの男が何かしようとしていたとしても、もうどうでもよくなった。
寮へと戻る為に正面にいる相手の体を避けて階下へと降りようとした。しかし、そんな道門の腕をまたしても掴まれ引き戻される。
「なに? 別にあんたがここにいたことなんて誰にも話すつもりないけど」
振り解こうにも思った以上に強い力で掴まれ、ちょっとやそっとのことでは外せそうにない。相手の顔を睨みつけるが、他の人間ならばそれだけで萎縮してしまう眼光の鋭さも、青年には堪えた様子もなく、それどころかどこか挑発するように道門を見返してくる。
「うん、そんなことは心配してない。おまえが言ったところで、俺がそんなことをするなんて誰も信じないから」
せせら笑うように口角を上げて言ってくることは、あながち間違ってはいない。
「ああそうだな。優等生なあんたと違って僕は問題児扱いされてるからね。言ったところでただのやっかみだと思われるのが見えてるよ」
分かっているなら何故腕を掴み、この場から立ち去ることを阻まれているのか理解ができない。まだ何か言いたいことでもあるのだろうか。
道門が相手の行動を不審がって警戒している中、掴む腕を更に強く握られる。まるで獲物を捕らえた肉食獣のような目で道門を縛りつけてくる。
「っ」
痛みに顔が歪む。相手はいったい何を考えているのか。得体の知れない恐怖に脳内で警鐘が鳴り続ける。
「ねえ、俺にもその魔法教えてくれない?」
それなのに発せられた言葉は、おおよそこの雰囲気に似つかわしくない単純なことだった。世間話をするかのような軽やかさだ。
「……魔法……?」
「うん。おまえがさっき使っていた目くらましの術。使えないわけじゃないけど、上手く隠れられないんだよね」
一瞬前までの獰猛な空気などなかったかのように人好きのする笑顔を浮かべ、困ったように道門に言ってくる。
「偶に昼間にも使っているだろう? 誰も、先生たちでさえ気付かないから感心してたんだ。だから、おまえが授業中以外に魔法を使って立ち入り禁止の場所に侵入しているなんて先生に言わないから、俺にコツを教えてよ」
それは暗に教えなければ道門の規律違反を教師に言いつけると示しているも同じだった。
思わず舌打ちをしてしまうが、自分を脅してくるような人間に対して取り繕う必要なんてない。
「あんたも規律違反してる、と言っても誰も信じないんだったな」
優等生と問題児。どちらの言い分を聞くかなんて火を見るよりも明らかだ。
正面にいる青年の顔を改めて見据える。
道門と殆ど変わらない身長。短く切り揃えられた黒髪に、髪の色と同じ双眸。目鼻立ちの整った容姿は優等生として以外にも周囲の関心を惹き付けているのだろう。
しかし、道門は気付いていた。この青年がただの優等生ではないことを。道門へと向ける瞳の奥に底の見えない深淵が広がっていることに。
「……分かった。教えてやってもいい。但し、こちらも条件を付けさせてもらう」
その深淵が何か興味がないわけではないが、今はまだ相手の目的が分からない為に深入りはしない方が賢明だと言える。極力関わらないのが無難なのだ。
「条件を付けられる立場じゃないと思うんだけど」
「煩い。僕の言うことを約束してくれないんだったら教えるつもりはない。教師に言いたければ言えばいい。今更、説教の一つや二つ増えたところで痛くも痒くもない」
そうはっきりと伝えると相手も仕方がないといった風に不承不承頷いてくる。
「分かった。で、おまえの言う条件って何?」
開き直る道門に呆れ声で言ってくるが、知ったことではない。此方は言質が取れればいいのだ。
「日中は僕に話しかけるな」
「え?」
「あと、魔法を教えるのはいいけど、人目がつかない場所でしか教えるつもりはないから」
目立つのは好きではない。しかも今まで一切関わりのなかった優等生と自分が急に親しげに話をしていれば、絶対に面倒なことが起きるのは目に見えている。だから先に釘を刺す必要があるのだ。
道門の条件が想像していたものと違っていたのか、唖然とした顔になる青年に少しだけ溜飲が下がる。先程から向こうに主導権を握られっぱなしでいたが、本来なら道門の性格であればそんなことを許したりはしない。此方の弱味を握ったように思っているのかもしれないが、そう簡単には思い通りにさせるつもりはない。
「で、呑むの? 呑まないの?」
「分かった……」
反応を返してこない相手に今一度声をかければ、漸くひと言だけ返してきたから、要件はそれだけだと言わんばかりに、未だ掴まれたままの腕を振り解く。今度は抵抗されることなく難なく放された。
「それじゃ」
青年に背を向け、入口へと歩き出したところで、向こうも我に返ったのか、慌てて道門を追いかけてくる。
「人目につかないところって言われても、授業以外で魔法を使える場所は決まってるんだけど」
「だから? ただの基礎魔法を教えるんじゃないんだ。目くらましの術を練習しているところなんて、誰かに見られたらどう説明するつもりなんだ? 隠れて図書室に忍び込む為に覚えてますって言うつもりなのかい?」
後ろからついてくる相手に言えば、言葉に詰まったような顔をするから呆れたように嘆息する。
「あんたは僕と違って有名人なんだから、もっと自分が周りにどんな影響を与えるか考えるべきだね。あと、その無駄な人望を使って適当な場所を探しておいてよ」
勿論、道門にも他人に知られていない秘密の場所のひとつやふたつはあったが、それを今日会ったばかりの、しかも半ば脅された形で己の得意とする魔法をそんな相手に教えなければならなくなったのだ。おいそれと言うつもりは毛頭なかった。
「なんか俺ばっかり言われてる気がする」
「当たり前。こっちは自分の持ち魔法を教えるんだから、そのくらいしてもらわなきゃ割に合わないね」
「むう……」
納得がいかないと口を尖らせる相手を鼻で笑う。やはり主導権を握る方が自分の性に合っている。
目の前には図書室の扉が見えてくる。寮へ戻る回廊の途中には見回りの教師がいるだろう。放っておいてもよかったのだが、この青年が教師に見つかれば、後々深夜出歩くのに色々と支障が出るやもしれない。
扉の前で一度止まると、後ろにいる青年を振り返った。
「今夜だけだから」
そう言って、羽織るマントの下から杖を取り出すと、自分と青年に向かって魔法をかける。
「姿を消しても気配を消せなければ、この魔法は完成されない」
暗に魔法がかかっているからといって油断するなと示す。それには青年も素直に頷いてくる。
「場所が決まったら教えて」
仲良く寮まで一緒に帰るつもりはない。さっさと扉の外へと出ようとしたところで背後から声がかかる。
「理由を聞かないんだな……」
ぽつりと呟かれた言葉に足を止める。
「なんで禁術書のある部屋に入るのかとか気になったりしないんだ?」
その言葉にやれやれと肩を竦めてみせる。皆が皆、青年に関心を持つと思わないでほしい。
「さっきも言ったと思うけど、面倒ごとに巻き込まれるのは嫌なんだ。あんたとは極力関わるなと僕の本能が告げてくるからね」
「魔法を教えてくれるってのは嘘だったってこと?」
「約束は守るさ。ただ、それ以上は関わるつもりはないってこと」
本音を言えば人目を盗んで何かを探そうとしている優等生を自分だけが知っているという事実は存外に楽しいのかもしれない。しかし、だからといって必要以上に馴れ合った時、それに附随してくるあれこれと天秤にかけたら、関わらない方がいいと結論が出ただけのことだ。
「じゃあね」
今度こそ青年に背を向ける。
「それなら、あとひとつ」
しかし、一歩足を踏み出した道門をまたしても腕を掴み、後ろへと引っ張ってくる。
「おいっ」
バランスを崩した体は支えられ、そのタイミングで耳元に青年の声が吹き込まれた。
「今度会った時は俺の名前覚えといてよ。道門泰星クン」
それだけを言うと道門よりも先に部屋から出ていってしまう。振り返りもせず通路を歩いていく背中を唖然とした表情で眺めていた道門であったが、我に返り顔を顰める。
「猫被りめ」
優等生だなんて誰が言った。あれは家猫の皮を被った獰猛な獅子ではないか。
今夜この場所で見つかってしまったのが運の尽きなのか。
道門は己の不運を嘆き、盛大な溜め息を吐いたのだった。
これ以降、二人の奇妙な関係は長きに渡り続くことになるが、それはまだこの時点では誰も知り得ないこと。
二人の運命の歯車は今まさに回り始めたばかり────。
**********
で、道門は旬に魔法を教える羽目になってしまうのだけど、禁術書のある部屋に入る手段を調べていた旬に早々に開錠術も使えることがバレて、それも教えることになる。
道門の魔法知識や技術の高さに何故成績が並でいるのかが分からず本人に聞くが、いつも通り目立ちたくないからと言うだけ。そこまで頑なに目立つことを嫌う道門に旬は段々と興味が引かれていく。
道門の方も昼と夜とでは雰囲気の違う旬を最初こそ警戒していたが、旬が何かを必死で調べていることに知らず関心を寄せるようになる。
って感じで、この話は終わり。
初出:2023.02.24